カントリーとエンティティ
今日も猛暑の一日でした。
ところで、以前ブログでJTAlertの音声データにNew CountryはあるがNew Entityはないというのを投稿しました。
カントリーがエンティティに変わったときには私はQRTしていましたので、エンティティがどういう経緯であったかをAIにまとめてもらいました。
ちょうどQRTした後にエンティティに変わって数も増えたようです。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
📡 アマチュア無線で「Country(国)」が「Entity(エンティティ)」と呼ばれるようになった背景には、DXCC(DX Century Club)プログラムの定義変更が関係しています。
🗓️ いつ頃変わったのか?
「Entity」という呼び方は、1990年代以降に徐々に定着しました。特に、ARRL(米国アマチュア無線連盟)によるDXCCルールの改訂が影響しています。DXCCでは、単なる国の枠組みではなく、地理的・政治的・運用上の条件を満たす地域を「Entity」として定義するようになりました。
🔍 なぜ「Country」から「Entity」に?
以下の理由が挙げられます:
政治的な国境では分類できない地域が存在するため 例:バチカン市国、サバ島、南極などは独立国ではないが、DXCCでは個別のEntityとして扱われます。
運用上の独立性を重視するため ある地域が独自のコールサイン割り当てや免許制度を持っていれば、別のEntityとされることがあります。
国際的な一貫性を保つため ITU(国際電気通信連合)のコールサイン割り当てと整合性を取る必要があるため、より柔軟な「Entity」概念が求められました。
Entityの判定ロジック
🧠 Entity判定の主な基準
判定基準 | 内容 | 例 |
---|---|---|
地理的分離 | 本土から一定距離以上離れている島など | 小笠原諸島(JD1)、南極(KC4) |
政治的独立性 | 独自の政府や国際的認知がある地域 | バチカン市国(HV)、台湾(BV) |
運用上の独立性 | 独自の免許制度やコールサイン体系を持つ | マリアナ諸島(KH0)、グアム(KH2) |
ITUゾーンやCQゾーンの違い | 異なるゾーンに属することで区別される | サンピエール島(FP)とカナダ本土(VE) |
歴史的・特例的判断 | 特定の歴史的背景やARRLの裁量による | Kingman Reef(KH5K)、Scarborough Reef(BS7) |
🧭 実際の判定プロセス(ARRLによる)
新しい地域がQRVされた場合 → ARRLがその地域の地理・政治・運用状況を調査
ARRL DXCC委員会が審議 → 上記基準に照らしてEntityとして認定するかを判断
公式発表とEntityリスト更新 → DXCCエンティティ数(現在約340)に追加される
🛠️ 実装面でのEntity判定(ソフトウェア側)
cty.datファイル(CTY.DAT) → DXクラスターやロギングソフトで使用される、プリフィックスとEntityの対応表 → 例:
KH0
→ マリアナ諸島、JD1
→ 小笠原 or 南鳥島(位置で分岐)ClubLogやLoTWの照合ロジック → コールサイン、運用地、日付などをもとにEntityを自動判定 → 特定のEntityは「○年以降の交信のみ有効」といった条件付きもあり
🌍 DXCC Entity数の推移(概略)
年代 | Entity数(概数) | 主な変化 |
---|---|---|
1945年 | 約50 | DXCC開始(ARRLによる) |
1960年 | 約150 | 植民地の独立などで増加 |
1980年 | 約250 | 地理的・運用的分離の定義が強化 |
2000年 | 約335 | 南極・離島などが追加 |
2025年現在 | 約340 | 微増傾向、特例的追加あり |
コメント
コメントを投稿